引き戸 室内扉の補修

扉の形に骨組みを組み、その両面に突板、メラミンなど面材を貼り付け 造作した戸をフラッシュドアと言います。 今回の補修依頼は左右に開閉する引き戸タイプのフラッシュドアです。 そもそも建具の修理を依頼する際にどこへ依頼すれば良いのか? 通常引き戸の修理は建具屋さんになると思いますが、建具屋さん以外で 引き戸の修理を請け負う業者がおります。それは補修屋になります。 工務店に依頼をすれば、住宅のほぼ全てに対応してもらえると思いますが 細やかな注文もあるので職人に直接依頼をしたいなどの場合、切り分けとして 主に構造上の問題、ドアノブや引き戸の動きの不具合などは建具屋さん 扉の損傷や割れ、表面上の破損は補修屋の仕事となります 参考までに…なのですが

今回の依頼内容はその両方です…

補修前

写真の状態は戸の上部右角の面材が剥がされ、面材の浮きをテープで圧着して固定されている状態です。 引き戸はスムーズに動かせず、ガタガタします。 さてさてどう直すか。まずは構造状の問題から対応することに。

戸車の確認

引き戸には開閉をスムーズに動かす為の戸車と言う金具設置されています。 戸車の摩耗など異常がある場合や、レールが曲がっていると 引き戸の走りが悪くなります

戸車の金具

状態を確認したところ、内側のレールが折れ曲がり 戸車の金具も沈んでしまっている為に 引き戸が走らなくなってしまっていました。戸車は、さほど摩耗もしていかったので、そのまま持ち合わせの材料を使用して戸車の金具の引き上げ、レールを再生して復旧することにしました

下地、パテ

戸車の金具を外し、高さを調整する為の加工した合板(2ミリの工作材を重ねて加工したもの)をの下に接着させて高さを調整して金具を引き上げます。剥がれている箇所には、1ミリの合板を厚さの調整しながら重ね合わせて差し込みます。

続いて内側のレールの補強をします 折れ曲がったレールの端は大胆にカット。 表面に差し込みした合板の裏に接着剤で貼り付けます接着する際は速乾スプレー必須になります。接着させた合板にさらに接着剤を上から塗り、速乾スプレーで固め接着剤でコーテイングして補強します

補強箇所をパテで包み下地を仕上げます。

押し込む⇨盛る⇨整える

パテの基本となります。パテは固まると縮む性質があります。その為、パテは盛る時より、削ぎ取る時の方が重要となってきます。

最初のパテは、剥ぎ取る際に強く押し込みながら、押し込んだパテが浮いてくるくらいの力で削ぎ取ります。さらにパテを削ぎ取る時にパテの端を必ず削ぎ切ります。パテの端を切らないと、硬化後に段差が生じいつまでも平滑に感じられず、永遠とパテを削り続ける作業となってしまいます。

塗装 仕上げ

建具、家具などの色調はカラーバリエーションが豊富である為、色も様々です。白系統ではオフホワイト、アイボリー、クリームベージュなどになりますが、調色して塗装するとなると、どの色も当てはまらいことがほとんどです。 その為、白系統の場合は、まずは濃いグレーを作り白に適量を混ぜてオフワイトまで暗くない白を作りベースとします。そこにグレーを足して明るさから合わせ、足りない要素を足していきます。 今回は白に黒、ほんのり黄色を混ぜアイボリーを作り ベースの白に足して調色塗装しました

塗料は乾くと暗くなる性質があるので、若干明るめに調色してます。次に木目を描きます。木目は黒に茶色を混ぜ、ほぼ透明に近く薄めたもので描いてます。描き初めは透明ですが、少しづつ色ついてきてかすれた感じの木目になります 最後に艶わせ、艶消し材を吹き付けて塗装箇所の質感を合わせていきます。

補修後

補修後、引き戸はがたつきも解消してスムーズに!                              引き戸の交換を検討されていたお客様も仕上がりを見て、ここまで直るの?とちょっと驚かれていました。

引き戸の破損などでお困りの方、ご相談ください

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