塗装の剥がれ補修:アイボリー色の色合わせ

キッチンの扉に貼られたシールを剥がしたら、塗装まで剥がれてしまった経験はありませんか?

補修前

キッチン扉の塗装の剥がれ。今回の案件になります。

部分的な塗装の剥がれを直すとなると上からダイノックシートを貼る施工も一つの選択肢になります

ただその場合、キッチン扉の全てを同じシートで施工しないとキッチン全体の美観、調和がなくなってしまうため

美観や調和を重視することであれば費用がかさんでしまいます。

このような状況で予算を節約しながら、特定の部分の美観を復元したい場合は補修が有効な選択肢の一つとなると

思われます。

補修する扉の色味はアイボリー。

アイボリーというとクリーム色と単純な色を表現されることがありますが、実際には

微妙な色調の違いがあり、とても多くのバリエーションが存在します。

しかしながら、その数多くのバリエーションが存在することこそが、さらに補修を難しくする要因となっております。

補修作業の開始

スクレーパーで塗装が剥がれた部分の表面を削りとり、薄くパテを打ち補修。

下塗りをして補修業者さんならお馴染みのアイカのスプレーを吹き付け補修箇所をぼかしてみました。

アイカスプレーは、元々アイカで販売しているダイノックシートの補修用に製造されている物なので

様々な種類のアイボリーにも対応しています。

今回は扉の色味に最も近く感じられたアイカの5183吹き付けをしてみました。

しかし明るさが合わず、微妙に色味も違います。

さらに補修屋あるあるにて作業範囲も広がり部分的な補修とは言えなくなってきました。

やれやれとなります。

部分的な補修は断念をして、気持ちを切り替え扉一面を塗り替えて色味を合わせることにしました。

調色作業

アイボリーの基本色は白に少量の黄色

そこに微調整した追加色を加えると様々なアイボリーの色合いに仕上がります。

例としてブラウンを少し加えると、薄っらとピンク色のアイボリーになります。

黒を少量加えると、より濃い印象のアイボリーになります。

既存の扉を横に並べて色を比べてみました。

既存の物と比べてアイカの5183を吹き付けたものは何が違うのか?足りないのか?

明るいのか?暗いのか?色味が足りていないのか?を考えてみる。

またアイカの5183はどういう色なのかを考えてみる

個人的な考察

既存の物と比べて、アイカの5183を吹き付けた物は色味が少ない印象

アイカ5183は白、黄色、少量のグレーで構成された印象

二つの印象から足りないものは色味と濃度

アイボリーの調色

色味を調整するために、アイカの5183をカップに取り出し、そこに少量オレンジを加える

さらに濃度を調整する為に追加で黒を少量を加える

補修後

色味と濃度の微調整を繰り返しながら、既存の物に近い色にたどり着くことができました。

アイボリー専用の補修塗料が種類が豊富に揃っていたりと一見簡単なように思われますが

実際にアイボリーの色合わせ試みると、その難しさに打ちのめされます。

アイボリーが非常に多くの種類があるように感じられるのは、光の影響によっても

色の感じ方が異なるというところ

平に置くと白く見えて、壁などに立てて置くとと黄色く見えたりします。

暗ーく深い森に迷い込んで行くような調色作業は、同時に探究心を甦らせます。

家具などの塗装が剥がれお困りの方。お気軽にご相談ください。

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